◆人生100年時代を生きる、大人のためのWEB Magazine MOC
「あなたの人生、ナイスですね!欲をかいて挑戦しよう」村西とおるインタビュー第2回 https://moc.style/world/director-muranishi-02/
これまで多くのものを失ってきました。
しかし、正直なところ何一つ、惜しいと思うものがありません。
強がりで言うのではありません。振り返ってみて全て、これでいいのだ、という考えに落ち着きます。
人間は失ったものばかりに気をとらわれがちですが、同時に得たものも数えきれないほどあるのではないかと思うのです。
失ったことばかりを考えていると、自分の人生をさもしいものにしてしまうような気がするのです。
気がつかないだけで、失ったものと同じ位に得たものがあるはずなのだから、いちいち失ったものを惜しんでいるのは馬鹿げていると思うのです。
得たものは何か、を考えていると過去の日々が急に命を与えられたように輝いてくるから不思議です。
自慢るものは何もないけれど豊かでありたいと考えるなら、それまでの人生で得たものを一つ一つ探しだしてみることです。
子供の頃から今日まで、精神的に何も成長していないと思われる手前どもでも、過去を肯定するようないくつかを見つけだすことができます。
自分の顔を鏡で見るだけで絶望するのは間違っています。ソッポを向きたくなるほどの醜さに失望してはいけません。
どんな綺麗な教会のステンドグラスでも風雪の刻を重ねれば、埃まみれとなって汚なくなるではありませんか。人間はその埃を拭う方法を持たないだけで、心のステンドグラスは更に磨きがかかって光を増しているのです。
子供の頃からの「逆境」が自然と自分を鍛えてくれた、と考えています。
テレビが家にやって来たのは中学の時でした。それまで子供の遊びは外で鬼ごっこや馬乗り、缶蹴り、の遊びでした。
町内会には2歳年上のガキ大将がいました。
学校から帰ってくると子供たちを集めて、週末には決まってマラソン大会をやるのが好きなガキ大将でした。
その頃は小学校で行われる運動会では「町内会別対抗リレー大会」がありました。
ガキ大将は、その運動会で町内会が優勝するように普段からマラソン大会をやって鍛えておこう、と発案したのです。
子供が今より多く町内会に溢れていた時代でした。
その頃の手前どもの団塊の世代の学童数(昭和23年生まれ)を見ますと、全国で280万人近くの人数がいたことが分かります。(※昨年の出生数は100万人を切ったと伝えられています)
現在より3倍の数の子供たちが町内の空き地に集まり、ガキ大将の号令一下、マラソン大会がスタートしました。
町内会は…