日大アメフトの問題が混迷を深めています。
最初に内田監督ご一行さまが「申し訳ございませんでした」と謝っていればこれまで大ごとにならずに済んだものを、ボタンの掛け違いをしたせいで国中を揺るがすような大問題に発展しております。
被害を訴える関西学院大学側の監督さまなどは「警察の捜査で真相を」と訴える始末でございます。
しかし、ちょっとお待ちください、でございます。
大学生のコンタクトスポーツの試合のプレイ中に、行きすぎたラフプレイがあったからといって警察に捜査を依頼するなんて、どういうことなのでしょう。
少し関西学院大の監督さまはトチ狂っていやしないでしょうか。
ご案内のようにアメフトは体と体がぶつかり合う肉弾戦でございます。
それ故に、他のスポーツにはないような防具を身につけています。万が一の時のための用心です。
防具は敵の攻撃を受けた際、体に受けるダメージを最小限にするためです。
それでも試合のキーマンであるQBに、防具が壊れるような強烈なタックルをすることはアメフトでは常識とされています。
そのためにQBは常にボールを保持している時でも離した後でも相手の選手からアタックされることを意識してプレイしています。
QBはボールを手放した瞬間に、相手選手の攻撃を受けて体が宙を舞うことがあるのですが、それとてアメフトの醍醐味の一つでございます。
関西学院大学のQBのプレイヤーは日大の選手から狙われていることは承知でした。
それがアメフトだから、当然のことです。ただ日大の宮川選手が相手QBがボールから手を離しているにもかかわらず、その2秒後にタックルをしたことが問題とされたのでございます。
0.5秒や1秒程度の時間であったならわかるのでございますが、2秒も経った後ではあまりにも意図的だ、との批判を受けたのでございます。
しかし、本当に内田監督をはじめとする日大コーチ陣があれほどのあからさまなルール違反のタックルをするように宮川選手に指示したのでありましょうか。
そうしたフォーメーションをあらかじめ練習で試していたならまだしも、「壊せ」という指示は、あれほどに露骨なプレイを意味していたとは考えられません。
追い詰められた宮川選手がパニックとなって、ああした度を越したラフプレイをするに至った、というのが妥当な考えではないでしょうか。
勿論、宮川選手の行きすぎたプレイを誘発した監督やコーチの責任は問われるべきです。
しかし、それは警察を介入させてまで白黒つけなければならない問題であるとは到底考えられません。
相手に詫びを入れて、二度と起こさないように厳重注意すれば、あとは”ノーサイド”。スポーツマンらしく再び相まみえて試合で決着をつけるというのが筋ではないでしょうか。
それを…