「中国崩壊論のウソ」

上海に来ています。上海の朝は空気が澄んでいて、空はどこまでも青く快適です。昨年の中国共産党政権は新たな環境政策を発表しました。

これまで工場や家庭で使用されていた石炭の使用を厳しく制限したのです。お陰で北京や上海の大都市では40年ぶりに青い空を取り戻すことができたのです。

上海市内を走る車が窓を開けて走っています。1年中スモッグに覆われてドンヨリと曇っていた今まででは考えられなかったことです。

新鮮な空気を体いっぱいに浴びながら車を走らせる、というドライブの醍醐味を上海のドライバーはようやく手に入れたのです。

タクシーの中に荷物を忘れました。トランクの中に入れていた小荷物です。慌ててタクシーに連絡を入れると、他のお客さまを乗せて走行中でした。

それでも客をおろしたらすぐに戻って来てくれる、との返事です。

しばらく待っていると、約束通りにタクシーがトランクの中に置き忘れた荷物を届けてくれました。料金は50元を払いました。

ひと昔前の中国では考えられないサービス精神と職業倫理です。これも配車アプリが普及したせいです。

配車アプリを利用してタクシーを呼ぶ、というのは中国では今や一般的なタクシーの利用方法となっています。

日本のようにタクシー会社の既得権を守るために規則でがんじがらめになって新規参入を許さない国と違い、世界は配車アプリの普及によるタクシー手配は”自由”になっています。

タクシー会社に所属する車でなければお客を乗せる商売をしてはいけない、という規則は全くありません。

中国では、この配車アプリを利用して、誰でもタクシー業を営むことができる時代を迎えています。

自由社会を標榜しながらも既得権益の保護を理由に一向に改革が進まない保守的な日本こそ「共産主義国家」のようです。

配車アプリを利用してタクシー業を営んでいる人たちにとって、スマホの画面に表示される「サービス評価」の点数は命です。

少しでも他のタクシーより良い評価を得て商売につなげようと、良いサービスに必死に努めています。

その結果、中国のタクシードライバーの道徳心は各段に向上し、この度のような「打てば響く」サービスを受けることができたのでした。

ITとAIの普及は中国人のライフスタイルを一新させています。

中国の人たちは買い物をスマホで決済して済ませています。いちいちデパートやショッピングセンターに出掛けて買い物をするという手間を省いて、スマホを利用して合理的な買い物をするようになっています。

中国最大のネット販売業者「アリババ」の今年1年の売り上げは80兆円に上る、と予想されています。

上海に住む息子夫婦が遠く2000キロ離れた山西省にいる両親にスマホを使って上海名物の「上海ガニ」を贈って親孝行する、などといったことが日常的に行われています。

特別な上海ガニばかりではなくミネラルウォーターからトイレットペーパー、洗剤や日用消耗品まで、なんでも「スマホ」を通じて配送ができます。

遠く海を隔てた日本からも、日本で仕事をしている親孝行な息子や娘からは持病の糖尿病や腰痛に効く薬がスマホの決済システムを利用して届けられているのです。

中国の人たちがスマホを利用しているのは商品の購入だけではありません。

指紋や目の網膜の認証システムの発達により、まとまったお金の送金も可能になりました。

また、ガスや水道料金や電気料金といった公共料金の支払いにとどまらず、生命保険や家賃、学費、旅行代金の決済取引き業者への支払いまで、全てスマホで済ませています。

そうしたEC利用による決済金額は…

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