50年近く前、英会話の教材のセールスマンをしていたことがあります。
英会話の教材といっても「ソノシート」が12枚ほど付いている程度で、教材のキャッチフレーズ「6カ月で英語で啖呵が切れるようになる実力が身につく」には遠い感じがしました。
英会話の教材を売るのが目的ではなく、英語で書かれた百科事典を売るのが目的でした。
そうでなければ当時の金で20万円もの価格をつけて英会話教材セットを売ることができなかったのです。
「ソノシート」とはビニールでできているレコードです。20回ほど聞くと音声が徐々に不鮮明になっていくという弱点がありました。
しかし50年前の当時ではカセットテープも無い時代ですから、英語で吹きこまれたソノシートがついているだけで画期的でした。
今日であればああした英語教材に英語の百科事典をつけて20万円(今日の貨幣価値では約100万円ほど)で売ることは無謀に思われますが、当時は英語を学ぶのにもネットはなく、市販されている教材も少なく、英会話教室の存在も姿が見えず、で向学心に燃えている労働者の皆さまにはご好評を博し、よく売れました。
戦後20年ほどしか経っておらず、焼け跡から立ち上がった日本人は高度成長の波に乗って今日より明日の豊かさを信じ、向学心に溢れ、エネルギーに満ち溢れていたのです。
1セット販売すれば約2万円のコミッションを貰えました。
子供2人を抱えて家族を養う立場にあった手前どもにとっては魅力的な職場でした。
セールスという仕事が性来の気質に合っていたのでしょう。毎週5セット以上の契約を獲得してトップセールスマンの地位にありました。
1日12時間以上のハードワークがその成績を支えたのでしたが、契約を促す最後の決め手になったものの一つに、これまで契約をいただいた顧客のリストがありました。
1時間近く商品の説明を繰り返していても、優柔不断でなかなか購入の決断ができないお客さまがいます。その時決め手になったのが、これまでお客さまと結んできた契約書の複写コピーです。
50枚程の契約書のコピーを束ねたものを、契約を逡巡されているお客さまの前に出してみせ、「このようなお客さまにご契約いただいてきました。皆さまには”あの時契約して良かった”と大変お喜びいただいています」とご紹介するのです。
「中にはこんなお礼の手紙をくださっているお客さまもいらっしゃいます」とお客さまから届いた何通かのお礼状をお見せもしました。
契約書に書かれてあるのは、松下や日立、東芝、といった一流企業から、中央官庁から都庁や地方公務員、警察、消防、自衛隊や学校職員まで、さながら日本を代表する会社や職場に勤める人たちのオンパレードでした。
「あなたさまも、こうした皆さまのお仲間入りをなさってください。この人たちに決して遅れをとって欲しくないんです」が最後の殺し文句となり契約に持ち込むことができたのです。
過去どんな人たちと自分がどのような信頼関係を築いて何をやってきたか、を示すことが自分への信用の証明となるのでした。
話題の籠池さまも、これと同じような手法で監督官庁の行政府の長の皆さまの「忖度」を勝ち得て、格安で国の土地の払下げを受け、小学校の認可の事前の了承を取りつけてこられてきたのでございます。
それにしても籠池さまは、なんというお人なのでしょう。極太のペ〇スを咥えたワケでも、鳥のトサカ大の小陰唇を口いっぱいに含んだワケでもないのに、開いた口が塞がらない思いをいたしております。
新人警察官が交通違反の取り締まりの最前線に配備されて上司から教えられることは「決して情に流されて交通違反を見逃してはならない、見逃しを受けた人間は必ず他人にそのことを話して、結局は警察の信頼を損なうことになるから」ということです。
警察官も人の子です。交通違反をして捕まえた人間に「これ以上キップを切られたら運転の仕事を失って、家族7人が路頭に迷うことになります、3人の子供のうち上の2人は私立高校、下の子供はようやく私立中学に入ったばかりで、私が職を失えば皆学校をやめなければならなくなるのです。
病気がちの両親を抱え、妻も持病が悪化して入院中です。どうか後生ですから見逃してください。この通り、命をかけてお願いします」と土下座をされて懇願されれば、いかに警察官といえども、心を動かされ、見逃してしまう、ということにもなりかねません。
しかし上司は「決して情に流されてはならぬ、見逃された人間はそのことを秘密にせずに、あの時あの警察官に見逃してもらったと、いずれ口外し、君の情けを裏切ることになるからだ。どんなことがあっても心を鬼にして情に流されてはいけない」と厳しく教育するのです。
籠池さまの「恩をアダで返す言動」を見ておりますと、警察の新人教育の訓示が妥当であることを納得できるのでございます。
籠池さまのなりふり構わぬ生き方を見ていますと、かつて柔道で達人といわれた「三船十段」を想起いたします。
柔よく剛を制す、相手の力を利用して投げる、というのがこの三船十段の得意技の「空気投げ」の極意でございます。
籠池さまはこの「空気投げ」をずっとなされてきた「空気投げ十段」のように思えるのでございます。
総理の名前を勝手に使用して「安倍晋三記念小学校」という名前で寄付金集めをしたことなどはさすが「空気投げ」の技の切れ味でございます。
また本人に明確に確認もせず、昭恵夫人を「名誉校長」にした技なども、さすが「空気投げ」の達人、と納得させるものでございます。
籠池十段の「空気投げ」の技を検証すれば枚挙にいとまがありません。
籠池さまは「理財局長から当分の間身を隠していて欲しい」と顧問弁護士から言われた、との嘘をついたとして、これまで弁護を担当してきた弁護士が辞任するに至っています。
愛知の海陽中等教育学校から推薦入学枠の提供合意がある、との嘘、私学審議会に提出した自らの経歴詐称の嘘、昭和天皇が、経営する幼稚園に来訪されたことがあると写真付きでHPに掲載した嘘、会ったこともないのに安倍総理と会ったことがあるといった嘘、小学校の建設費3通りの嘘、と籠池さまの嘘八百はとどまるところを知らぬげでございます。
また「アダムスファミリー」といわれる籠池さまのご家族の皆さまの嘘も、さすが「籠池空気投げ十段」の家族、と思うほどに際立っております。
妻の諄子さまは幼稚園への補助金の不正受給の問題で告発を受ける身の「黒幕」といわれる人物ですが、稲田防衛大臣と籠池理事長が2年前に会ったと嘘をつかれております。
長男の佳茂さまは山谷えり子事務所名を無断使用し、次男の照明さまは”新弟子ごっつあん詐欺”や足立康史事務所名を無断使用した、父親に負けない大ウソつきの傑物としての評価を確かなものにしております。
加えて応援団として勇ましく参戦した活動家、ドキュメンタリー作家の菅野完さまは「嘘つきごっこ」では籠池さまと「アダムスファミリー」に引けをとりません。
元部落解放同盟の活動家である氏は、元しばき隊の横領犯として知られる御仁です。また、性的暴行事件を起こし、現在裁判中の身でもございます。
まさしく、籠池一派は惚れ惚れするような「逸材」を輩出なされており、一家総出でAVにご出演なされたならば、空前絶後の問題作、となることをうけあうのでございます。
このところ注目を浴びているのが昭恵夫人が籠池十段に「渡した」とされる寄付金の100万円でございます。
自分で自分の口座に著名人の名前を使って振り込むやり口は「ニセ募金集めの詐欺師」がよくやる手口でございます。
手前どもも、以前、東日本大震災で放置されて野良犬となったワンちゃんたちを救うための「寄付金」の勧誘を受けたことがございます。
その時に・・・