「窮セミ懐に入れば猟師も殺さず」

 

 
先頃4回目となる「ワクチン接種」に行って参りました。
 
心臓の大手術をしていますので万が一のことがあったら大変と考え、行って参りました。
 
もうこの何十年も、お陰さまで風邪らしい風邪をひいたことがありません。
 
毎朝愛飲している「酢にんにく」の効用、と確信しています。
 
よって「ワクチン接種」」など手前どもには無用だ、との考えでおりましたが、もしかかったら、持病持ちは命に危険が及ぶほどに重篤化する、との報道がございまして、周囲にこのことでヤキモキさせては申し訳が立たないと、ワクチン接種に及んだのでございます。
 
場所は区が指定する区民会館でございました。事前に予約を入れておりましたので、スムーズに接種を受けることができました。
 
ご案内のように接種前にお医者さまの問診があります。これまでどんな病気にかかったことがあるか、既往症は何かをあらかじめアンケートの調査票に書き込み、それを見ながら色々と体の様子を尋ねてくださるのでした。
 
若い30代前半の青年医師でした。手前どもの調査票を見て「大変なご病気をなさったんですね」と目を丸くして驚いておられます。
 
自分自身はたいした病気ではないと考えていましたので、お医者さまの驚きぶりを見て「そんなに自分は大変な病気をしてきたのか」と急に動揺しました。
 
それまでは担当医である世界的名医の、昭和医大南淵教授の「たいしたことはありません。チョチョっ、とやって簡単に済む手術ですから、何も心配ありません。万が一、どころか、万、万万一もなにも、問題なく終わりますから、安心してください」との言葉を信じて「そうか、たいした病気じゃないのだから、心配などせずに安心していればいい」とやり過ごしていたのでございます。
 
それがワクチン接種の医師の「大変なご病気をされたんですね」の言葉に「えーっ、俺はそんなに大変な病気を煩っていたのか」と覚醒したのです。
 
考えてみれば、今年1月に受けた2度目となる手術は8時間に及ぶ大手術でした。南淵教授の申されるように、実際のところは「チョチョ、っとやって、簡単に済ませる」ことのできるようなことではなかったのです。
 
若い医師の「大変な」の言葉を聞いて、ワクチン接種のことも上の空となって、そんなに「大変な病気」を煩った身では、この先果たして何年生きていけるのだろうか、と落ち込んだのです。
 
言葉とは恐ろしいもので、この10年近く、南淵教授の「大丈夫、何かあったら私が絶対に助けますから」の言葉に励まされて生きてきました。
 
その自信が、若いワクチン医師の「大変なご病気」の言葉で揺らいだのでございます。
 
ワクチン接種会場から出て家に帰る道すがら考えました。
 
確かに若い医師の言うような「大変なご病気」を経て今日があるのだろうが、南淵教授が「大丈夫」と言うなら、それ以上クヨクヨして何になるのだろう、と自らを叱咤したのでございます。
 
このことがあって…
 

 

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