コロナ禍の中で調査によれば、「元カレ・元カノ×夢」にまつわる検索が、イギリスやアメリカでのロックダウンが3月に始まって以来、昨年の同時期と比べて2450%もの伸びを示していると言われています。
人間は生き方を見失うと自然と初心にかえるのです。
青春時代に純粋に恋をしていた自分が懐かしく思われるのです。
あれほど素朴に純情に情熱的に人を愛したことが自分にあったとは、信じられないのでございます。
ご多分に漏れず、手前どもも若い頃の初恋を懐かしく思い出してございますが、実際のところは目の前に現れるファンタスティックな姫君に、年甲斐もなく依然として胸をトキメかせている有り様です。
初恋の女性の時は、ただ一方的に自分だけが燃え上がる立場でした。
いくら思いを寄せたからといってどうにもなるものでもなく、ただ一方的に2人の淡い交遊にトキメき、夢見ていたのでございます。
淡い交遊といっても何ほどのこともありません。ただ手の甲と甲が触れ合ったり、目と目を見つめ合ってトキメき合ったり、というおとぎ話のような世界で満足していたのです。
手前どもの初恋は中学1年生の時でした。
相手はクラスで副級長の秀才の資産家のお嬢さまです。
彼女が他愛ない話に笑い転げてくれるのを眺めながら、これでいつ死んでも思い残すことはないと幸福に酔ったものでございます。
が、いくら彼女を好きだからといって、肉欲の妄想をしたことはありませんでした。
彼女を串刺しにして悶え泣きさせることを夢想するようになったのは、高校に入ってからのことです。
しかし、その頃はSEXフレンドが既にいましたので、彼女だけを思い、焦がれるということはなく、日常的に肉交を許してくれている1歳年下の中学3年生の彼女のことに夢中でした。
初恋の副級長のことを、もっと強く思うようになったのは高校を卒業し、社会人になってからでした。
バーテンダーの仕事に就き、職業柄多い週では10人ほどの女性と肉体関係を持つようになりました。
女性のお客を掴むことで、店には大きな金を落としてくれる男性客が来るようになる、との店長の営業方針で、肉弾戦で女性客獲得を競うことを求められたのでした。
バーテンダーといっても、今でいうところのホストの役割でございましたが、そんな女たらしの日々を重ねているうちに、心にポッカリと穴が開いているような寂しい気持ちになりました。
肉体こそは結ばれなかったものの、渇いた心は満たされず、毎日毎日、寝ても覚めても恋し続けた、初恋のあの副級長のことが愛おしく感じられたのです。
実際に関係を持っていたら、果たしてあれほどに熱い気持ちになれたかどうかはわかりません。
恋に恋する気持ちからの昂りであったのかもしれません。叶わぬ恋ゆえに…
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