引きこもりの息子を殺した元農水次官のエリートの殺人事件が起きました。
息子を刺し殺した父親にそれ相応の理由があってのことではなかったのか、と、育ち盛りや反抗期の息子を持つ世の父親にとっては、とても他人事には思われない事件ではなかったでしょうか。
手前ども団塊の世代に、引きこもりの子供たちはいなかったように記憶しています。
5歩も歩けば玄関から裏口に出てしまうようなマッチ箱のような暮らしでは、引きこもろうにも引きこもる場所がどこにもありませんでした。
あるとすれば唯一ボットン便所でございましたが、とてもあんな臭い場所に引きこもっているワケにはいきませんでした。
戦後間もなく焼け野原から這い上がり、4畳半と6畳2間の狭い長屋暮らしで大家族がギュウギュウと、押しくらマンジュウをしているようなありさまのほとんどの家庭では、引きこもる場所といえば押し入れくらいでございました。
が、押し入れに入ったのはイタズラをしてお仕置きをされたときで、自分から好きで入ったのではありません。
中学に入ってから、近くの河原から廃材やブリキを集めてきて、家の庭に3畳ほどの小さな小屋を作りました。
中学3年生のとき、両親が離婚してからは、母親は母屋で自分は庭先の小屋で生活をするようになったのです。
父親がいなくなって自由になったことと、狭い家で母親と一緒にいるのがなにか気まずかったからです。
高校1年生になって…
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