「決定版・元貴乃花親方再生計画」

先週末、中国の友人が日本にやって来ました。

彼は中国の解放軍国防大学卒のエリートで、同級生360名ほどは皆、中国の各方面で活躍し、出世をしています。
 
彼の同級生で軍を辞めて民間で仕事に就いた人間は、中国有数の建設会社や自動車会社のトップの座に就いていて、中国での解放軍の影響力と存在感をまざまざと知らされるのです。
 
友人本人も解放軍の然るべき地位から民間企業に天下りし、ビジネスチャンスを得て起業し、一生遊んで暮らせるだけの財を成しました。
 
特に、日本から解放軍が使用する資材や、工具部品を中国に輸出する仕事で当てたのです。
 
中国はコネの社会です。コネさえあれば独占的に利益の出る仕事を取り扱うことができます。
 
本人は日本と中国を行き来しながら商売を広げ、富を獲得し、日本国内に数カ所のマンションを所有し、中国北京郊外にも3階建ての一戸建ての家を所有しています。
 
3階の屋上から北京の街を見渡せる好立地で、中国元でも億を超える豪華な建物なのでした。
 
彼の一人娘は米国に留学し、現地のアメリカ人と結婚しています。
 
奥方は有能な会計士で、得意先の企業を回って中国全土を飛び回っておられます。
 
愛想の良い、中国人には珍しい、夫を立てる貴婦人でございます。
 
前回日本に来られた時は、奥方もご一緒で、知り合いのマジシャンを呼びテーブルマジックをご覧いただいたら、少女のように飛び上がって驚かれ、目を丸くなされていたのが印象的でした。
 
この度はその奥方はご自身のお仕事の都合で来日することは叶わず、友人一人での来日となったのです。
 
久しぶりに日本の焼肉を食べたい、とのことで行きつけの焼肉店にご案内しました。
 
有名店ではなく、値段がお手頃なところから、よく接待用に利用しているさもない焼肉店でございます。
 
ところが友人は「美味しい、こんなに美味しい焼肉を中国で食べることはできない」と感動し、箸をとめるのも知らぬげに食べ続けたのです。
 
北京に行った折にはこの友人に招待を受けて「中国一」と評判の「北京ダック専門店」で高級料理をご馳走になっている身では、大いに面目を施したところでございます。
 
翌日、連れ立ってスカイツリー見物に行きました。大変な混雑具合で、タワーにのぼるのは諦めて、隣接するソラマチの店内を見て回りました。
 
こちらも沢山の客でごった返しておりました。
 
ソフトクリームの店の前を通りかかりましたら、この寒さからでしょうか、カウンターの中には5人のスタッフが見えましたが、客は誰もいませんでした。
 
友人はかねてより、日本のソフとクリームビジネスに興味を持っていて「試食してみたい」との希望を口にしました。
 
抹茶味と普通のミルククリーム味の2種類のソフトを買い求めて店頭で食べていると、あっという間に人だかりができ、長い行列となりました。
 
さっきまでは手前どもたち以外に誰も見向きもしなかったものを、誰かが買い求めはじめると、我も我もと群がってくる、群集心理のなせるワザなのでした。
 
中にはご年配の老夫婦や、白人のカップルなどもいて、さっきまでは手持ち無沙汰にしていたスタッフが、目の色を変えてお客の応対をしている様子は、やはり客商売は繁盛していなければ絵にもなんの益にもならないことを物語っていたのでした。
 
お腹がすいたので、何か食べようということになり6階のレストランフロアに行きました。
 
いずれの店も軒先には行列ができていて、大変な賑わいを見せていました。
 
とんかつ屋がありました。この店の軒先だけにはなぜか行列がありませんでした。
 
店の中に入ると、半分以上の席が空いています。
 
入口の近いところの席に腰をおろして、店員が注文を取りにやってくるのを待ちました。
 
若い和服姿の仲居さんがやって来て、「お客さま、順番にご案内しています、お店の外でお待ちいただけないでしょうか」と厳しい口調で言うのです。
 
気が付かなかったとはいえ失礼しました、とお詫びを言って外に出ました。
 
ところが、外には客は誰も並んでいませんでした。なんということでしょう。どういう料簡で若い仲居さんはあんな差配をされたのでしょうか。
 
実に不快でした。店の中に戻り「外には誰も並んでなんかいませんけど」と例の若い仲居さんに言うと、シレッとして「あら、そうですか、ではどうぞ」と店の中に招き入れたのでございます。
 
こうしたぞんざいなあしらいは、実に不愉快でした。
 
スカイツリーのソラマチという立地から、普段からこの店も混雑しているのでしょう。つい、いつものクセが出て、突然店内に入って来た客に、確かめもしないで、使いなれている「お店の外でお待ちください」の教育的指導の言葉が出たに違いありません。
 
しかし、中国人の友人の手前、適当な客あしらいをされて黙っている訳にはいきませんでした。
 
「あなた、誰も他に客がいないのに外で待てなんて、いい加減なことを言うんじゃありませんよ」と強い口調で件の若い仲居さんを窘めたのでございます。
 
すると敵もさるものでございます。顔色一つ変えることなく、少しも慌てず「申し訳ございません」と頭を下げたのでした。
 
「ここは、お前さんたちのような田舎者が来るようなところじゃないんだよ、不愉快になったのなら、それで結構、どこでも好きなところに行ってくださいませ」の啖呵が見え隠れしていたのでございます。
 
スカイツリーという一等地に商売のチャンスを得ると、普段は大切にしなければならない「おもてなし」がないがしろにされ、客など次から次にわいてくるボウフラのごときにしか感じられなくなるのでしょう。
 
スカイツリーという、今や日本を代表する観光スポットで行われている客商売が忙しさにかまけて、すさんだ、唾棄すべきものとなっていると感じる体験をしたのは、果たして手前どもだけであったでしょうか。
 
貴景勝の「勝って驕らず、負けて腐らず」の言葉を、スカイツリーでの商機を得た商売人の皆さまに贈りたく存じるのでございます。
 
 
 
 
秋篠宮殿下が、眞子さまの結婚問題に言及し「結婚したいなら相応の対応をすべき」と申されました。
 
要するに…
 
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