「謝る勇気」

世の中には見掛け倒し、という人間がいてよくガッカリさせられるものでございます。
 
が、「監督」と呼ばれる人間には比較的そうした期待ハズレの人が少ないように思われます。
 
なんとなれば、人を率いる立場の、その世界では一廉(ひとかど)の実績を持ちプライドのある、「監督」という立場の人間が、そう簡単に他人の期待を裏切るようなことをするはずがない、と世の中では信頼されております。
 
たとえば手前どもは前科7犯でございます。世間的に言えば前科7犯などは人間としては悍ましいにもほどがある唾棄すべき存在でございます。
 
しかしながらこうして皆さまにお目通りがかなっているのは、「置き引き」、「万引き」といった、他人様にご迷惑をおかけした犯罪での「前科7犯」ではないから、でございます。
 
と同時に、AV監督という職責をまっとうしようとして、全身全霊を尽くし、作品の制作に取り組み、ファンの皆さまにお喜びいただけるならば「懲役上等」と身を賭して「AV監督」をやり遂げてきたからでございます。
 
率直に申し上げれば、皆さまのための「前科7犯」ゆえにお許しを賜り、受け入れられているのでございます。
 
AV監督の「監督」には、お客さまのお喜びのためには人生を棒に振っても構わない、との決意が宿っています。
 
斯くのごときに世の中の「監督」と呼ばれる人種には、たとえAV監督でも、誇り高き人種なのでございます。
 
ところが、でございます。今、話題の日大アメフト部の内田監督さまは、真逆の人でございました。
 
日本一のアメフト部の監督という称号をいただきながら、絶対絶命の局面にあって姿をくらまされたのでした。
 
事件が公になり、ようやく姿を現したのは5日目の先週の土曜日でございました。
 
「危機管理学部」なるものを新設した日大のNO.2の地位にある人間の、なんたる危機管理能力の欠如でございましょう。
 
内田監督さまはアメフト部の監督であられると同時に、日大のNO.2のポストに就かれているとのことでございます。
 
そんな重責を担う人間が、ここ一番での身の処し方が幼稚園生レベルなのがなんとも残念に思われてなりません。
 
部員との間に指示の受け止め方の乖離があった、などとの言い訳を口にされておりますが、そんな指示系統の混線などはここに至っては、もはやどうでもいいことでございます。
 
問題意識として持たなければならないことは、このままでは自分の監督下にあって指示通りにプレイをし、関西学院大学のアメフト部員に怪我をさせた日大アメフト部員の将来が失われてしまう、との危機意識でございます。
 
ここは自分がどう思われてもいい、なんとしても自分の意を酌んで、邪悪なプレイをした配下の部員を救わなければ、との男気が求められていたのでございます。
 
内田監督は言葉足らずでございます。「私に責任があります」と言っていながら「監督が指示して怪我をさせるプレイをさせたのか」の問いに「書面で答えます」などと、アホな回答をしております。
 
素っ裸でベッドに同衾して浮気の現場を見つかった亭主が、「低体温症の彼女を救うために裸になって体をあたためていた」のごとき見え透いた時間稼ぎの言い訳は大概にすべきでございました。
 
「私が指示をして選手にラフプレイをさせました」とこの期に及んで何故正直に言うことができなかったのでしょうか。頭も性格も悪すぎ、でございます。
 
危機管理能力の最大最善のものは…
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